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カビの感染症は3つ!カビが原因の真菌感染症とは

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カビが原因の真菌感染症

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カビの病気って?

カビは常に私たちの身の回りに、プカプカと浮いています。

私たちが健康な時は悪さをしないカビですが、体力が落ちたりしたときに牙を向けてくるときがあります。

この記事では、カビが私たちに与える悪影響の1つ、真菌感染症について説明していきます

カビによる人への被害

カビアレルギー真菌感染症カビ中毒(食中毒)
原因は
カビの胞子を大量に吸い込む
原因は
カビが人体の組織に取り付く
原因は
カビが作る毒性物質
カビトリくん

カビのすべての種類が人に被害を加えるわけではありません。何万種類もいるなかで、特定のカビだけです

カビが原因の感染症は3つ

真菌が原因となる感染症は病気が発症している場所によって、3つに分けられます。

表在真菌症深部皮膚真菌症深在性真菌症
表層に感染
皮膚や爪、毛髪など
深部へ感染
皮下組織あるいはさらに
組織が感染
全身の臓器

このようにさまざまな真菌症がありますが、実際に真菌症を発症することは珍しいことです。

真菌症を発症するためには以下の条件が必要です。

条件
  • 特定の真菌を大量に吸い込む(曝露)
  • 人の免疫状態が下がっている

この条件が満たされたときに真菌症を発症する可能性があります。

カビの感染症【表在性真菌症】

表在真菌症の主な種類

白癬
89.1%
表在性カンジダ症
8.4%
マラセチア感染症
2.4%

表在真菌症では、白癬が9割近くを占めています。

白癬菌

いわゆる水虫といわれる白癬菌もカビの1種です。トリコフィトン属(Trichophyton)。

症状かゆみ、ひび割れ、水疱ができたりします。

白癬菌の代表的な原因真菌

  • トリコフィトン・ムブルム(猩紅色菌:T. rubrum)
  • トリコフィトン・メンタグロフィテス(毛瘡菌:T. mentagrophytes)

この2つが90%以上を占めています。

白癬菌は動物にも感染します。ミクロスポラム・カニス(Microsporum canis)は犬や猫に感染します。トリコフィトン・ベルコサム(T. verrucosum)は牛に感染します。

カビトリくん

白癬菌は症例が2400万人もいます。病原性のカビとしては圧倒な数です

表在性カンジダ症

皮膚カンジダ症赤い発疹が出る

カンジダは人に常在しているカビです。 [tensen]

カンジダ症を発症する原因

  • 患部を長期間不潔にしていた場合
  • ステロイド剤の利用

カンジダは免疫不全者の真菌感染症として多いです。口腔カンジダ症や食堂に発生するカンジダ症はAIDSを定義する日和見感染症の1つとされています。

マラセチア感染症

癜風 (でんぷう)胸や背中を中心に、褐色か白色のかゆみを伴わないしみができます。
マラセチア 毛包炎背中を中心に数mmの赤いボツボツができます。

原因菌

癜風およびマラセチア毛包炎の原因真菌は以下になります。

  • マラセチア・グロバーサ(Malassezia globosa)

カビの感染症【深部皮膚真菌症】

深部皮膚真菌症(深在性皮膚真菌症)の主な種類

  • スポロトリコーシス
  • クロモミコーシス

代表的な疾患はこの2つになります。

スポロトリコーシス

症状赤い皮疹が見られてから盛り上がっていきます。
その後、潰瘍になったり、のう胞になったりすることがあります。

原因菌

  • スポロトリックス・シェンキイ(Sporothrix scenckii)

通常の環境に広く存在しているカビ(真菌)になります。主に土壌に多く見られます

クロモミコーシス(黒色真菌症)

症状皮膚に紅色の扁平隆起性病変や
疣状(いぼじょう)に隆起した慢性肉芽腫性病変を生じます。

クロモミコーシスの原因真菌

  • フォンセケア・ペドロソイ
  • フォンセケア・コンパクタ
  • クラドスポリウム・カリオニイ
  • フィアロフォーラ・ベルコーサ
  • リノクラディエラ・アクアスペルサ

日本では、フォンセケア・ペドロソイが一番多く、腐食した木材や、土壌にいます

カビの感染症【深在性真菌症】

深在性真菌症の主な種類

  • アスペルギルス症
  • カンジダ症
  • クリプトコックス症
  • 接合菌症

代表的なのはこの4つになります。

深在性真菌症は日和見感染症として、発症する非常に危険な感染症です。

本来は人に対して病原性の弱い菌が、人の免疫力が弱まっているときに重篤な感染症を起こすことがあります。これを日和見感染といいます。

正常の宿主に対しては病原性を発揮しない病原体が、宿主の抵抗力が弱っている時に病原性を発揮しておこる感染症です。

国立感染症研究所|日和見感染症

アスペルギルス症

症状アスペルギルスの種類によって色々。 肺真菌症の場合は
発熱・咳・痰・喀血(肺や気管支からの出血が、口から出てくること)といった症状が多いです。

アスペルギルス属の真菌は200種類以上います。

これらによって引き起こされる病気の総称をアスペルギルス症といいます。

アスペルギルス症の原因真菌

  • アスペルギルス・フミガタス(A. fumigatus)
  • アスペルギルス・フラバス(A. flavus)
  • アスペルギルス・ニガー(A. niger)
  • アスペルギルス・ニジュランス(A. nidulans)
  • アスペルギルス・テレウス(A. terreus)

アスペルギルス・フミガタスによる感染が多いです。

カンジダ症

口腔カンジダ症口内に白いコケ状の物質が付着する
性器カンジダ症炎症して強いかゆみが出る

カンジダ症の原因真菌

  • カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)

ただし、最近ではアルビカンス以外のカンジダ属真菌(NAC)によるカンジダ症も増加しています。

クリプトコックス症

症状肺炎や髄膜炎を起こします。 肺炎の症状としては咳・痰・胸痛・呼吸困難感などです。
髄膜炎の症状としては頭痛・発熱・けいれん・意識障害などが起きます。

クリプトコックス症の原因真菌

  • クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryoptococcus neoformans)

クリプトコックス・ガッティもありますが、日本ではネオフォルマンスがほとんどです。

接合菌症(ムコール症)

症状肺・鼻・脳・皮膚などさまざまな部分に感染します。
肺の場合:発熱、せき、呼吸困難、喀血

接合菌症の原因真菌

  • リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)
  • リゾプス・ミクロスポルム(Rhizopus microsporus)
  • アブシジア・コリンビフェラ(Absidia corymbifera)
  • カニングハメラ・ベルトレチアエ(Cunninghamella bertholletiae)

最後に

今回は、カビが原因となる感染症について説明しました。

真菌による感染症のほとんどが、免疫の低下などが原因で起こります。

免疫が低下しているときほど、カビに注意しましょう。

カビトリくん

体調が悪いときほどカビにも気をつけないとね

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